www.debito.org

レポート
法律及び人権を守らない警察
理由なし職務質問をする新千歳空港警察官


アップデート1(2003年3月10日)
北海道公安委員会の便り

アップデート2(2003年6月17日)
法務局人権擁護部札幌支局の責務不作為

アップデート3(2003年8月10日)
法務局人権擁護部札幌支局は2回目の「特定の個人(私本人)のプライバシー」による不開示

アップデート4(2003年8月14日)
札幌人権擁護部よりファックス回答

ところで、なぜ日本警察は外国人をターゲティングしていますか

有道 出人 著
2003年2月10日現在

 1998年11月、私が国内線の乗り換えの際に、羽田空港で東京都警察官が「外国人だから身分証を見せろ」と要求されました。「なぜですか、その理由は?」と聞いたものの、その警察官は「外国人登録法 第十三条第二項の下、外国人は警察官の職務の執行に当たり登録証明書の掲示を求めた場合には、これを 掲示しなければならない」と指示しました。(ひいては、自治省発行の『外人カート』が常時携帯で、携帯しないと逮捕になる)。よって法律上、外国人の場合、身分証を要求するのには理由は必要ではない、と明らかになりました。その後羽田空港に改善要請をしましたが、「外国人は特に犯罪を起す恐れがあるのは警察に大前提があると分かりました(その事件は http://www.debito.org/instantcheckpoints.html で英語で報告してある)。

 その後、非常に困った私は民法などで調べました。まさに外国人の場合、日本でどこでもいつでも警察官は職務質問などができます。但し、日本人の場合、理由なし職務質問は「警察官職務執行法」の下で違法行為となります。立法は:

ーーーーーーーーーーーーーーーーー
警察官職務執行法 第二条 警察官は、異常な挙動その他周囲の事情から合理的に判 断して何らかの犯罪を犯し、若しくは犯そうとしていると疑うに足りる相当な理由の ある者又は既に行われた犯罪について、若しくは犯罪が行われようとしていることに ついて知っていると認められる者を停止させて質問することができる。
ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 けれども、この法律を守らない警察官はいると先月分かりました。

 2002年12月11日、私は新千歳空港から上京する途中、お土産を買うために空港の郵便局の郵便貯金からお金をおろしました。午後4時50分ごろ、離陸の50分前、私が郵便局を出たことを見かけた警察官の天野氏(北海道警察 AJ-869)は私を停止し、「パスポートを見せて」と言いました。

 「なぜですか」と聞いたが、彼は理由を言いませんでした。

 :「それなら、これは職務執行法違反です。郵便局を出るだけなのは『相当な理由』になりません。」

 結局、天野氏の上司、警部補の谷口氏(北海道警察 AJ-861)と(東京に到着してから私の携帯で連絡が来た)谷氏(電話0123-45-7191)とこの件について話しました。主な会話の流れはこの通りでした:

 警察:「警察官は皆さんに声をかける。年末、空港にてひたっくりなどの犯罪が多発している。」
 :「日本人に声をかける時に『パスポート』を要求しませんよね。日本人は『パスポート』は常時携帯しません。『パスポート』を要求した理由は私が外国人だと思ったのではないでしょうか。いずれに、人が犯罪を犯す疑いはなければ、その人の身分証を要求できませんよね。なぜ私が犯人だと思いましたか。」

 警察:「犯人の疑いがなくても、警察官は声をかけることはできる。警察法第2条では、「防犯のために」可能だ。しないと我々警察は仕事ができない。」
 :「『声をかけること』は違います。『どこから来た、どこに行く』と『身分証を見せろ』との質問は抜本的に質が違います。法律上でも認められています。このために『職務執行法』が存在しています。この立法がなければ警察官はこういうふうに誰にでも『犯人扱い』をして自分の権力を乱用します。なぜ警察官に法を実施する立場が委ねられているのに法をきちんと守らないのですか。」

 警察:「あのね、我々はアメリカにいたらアメリカの警察官に『パスポートを見せろ』と言われたら、当然協力するよ。なぜあなたは同様にできない?」
 :「これは論外です。なぜ『アメリカ』が関係ありますか。私は日本人です。とにもかくにも、ここは日本です。日本の法律が効きます。なぜ日本の法律に従わないのですか。」

 警察:「我々は外見だけであなたが日本人だと分からない。聞かないといけない。」
 :「ちょっと待って下さい。こうやって私のプライバシーの侵害の正当化しますか。外国人・日本人は関係ないはずです。なぜ私が『不審者』であると思って停止して身分証を要求したのですか。『相当な理由』を待っています。教えて下さい。」

 警察:「防犯のためだった」
 :「『私』と『犯人』の関係を明確にして下さい。やはり、私を停止した理由は外国人だと思っただけでしょう。つまり『外国人は犯罪を犯す前提』ですよね。これは『外人ハラスメント』と思いませんか。」

 警察:「違う。皆さんの協力を願っています。」
 :「悪いけど、この話しは堂々回りになっています。要するに、私を職務質問した理由は外国人だったと思っただけです。私が日本人だったと思ったら、身分証を要求しないと思います。なぜなら法律上できません。困ります。今後、私が普通に素行な行為をして警察官に停止され職務質問となれば、私はどうすればいいですか。法の下で平等な扱いになりません。まるで私の帰化が無意味です。」

 警察:「自分が日本人だと言ったらいい」
 :「そう言うと天野氏は信じますか。疑わしい。彼は未だに停止した理由も出さないし、お詫びしていただいておりません。自分が悪いことをしたと思わないと言っています。反省が足りないと思います。」

 警察:「有道さんは怒り出したから天野は理由を出せなかったのでは」
 :「即ち、理由をいただかなかったことを私のせいにしようとしているのですか。なおさら呆れています。とにかく、ちょっとだけ警察官は私の立場から見てみればどうでしょうか。もしあなたが警察官に、つまり独断で『この人が不審者だ』と判断でき人を22日間逮捕する権限のある人に、声かけられるよりも身分証を要求されたら、どう感じますか。怖くないですか。特に、そう要求されるのは犯人の恐れのある人のみです。身分証要求は犯人扱いです。あなたはいい気持ちをしますか。
 「もし、『相当な理由』があれば、どうぞ説明して下さい。例えば『この辺ではあなたと同じ髪の色、身長などの犯罪の容疑者がいるからご協力を』。私が納得する理由であれば、もちろん協力します。でも、『外国人みたいだから』のようならば理由になりません。
 「次のレベルに改善を要請します。では」




● 次のレベルとはどうなった?

 北海道警察本部相談センター(011-241-9110)に連絡して高橋氏と話しました。事件の明細を記録してから、「有道さん、何が欲しいですか」と問われました。

 欲しいのはお詫び状です。なかにこう認めて欲しい:
 1)「有道氏を理由なし停止をしてすみませんでした」
 2)「停止して迷惑となりました」(この航空内混乱によって15分以内に飛行機のチェックイン、プレゼント買いと搭乗口に行くことを済まなければならなかった)
 3)「これから [この理由で] 人を停止し職務質問をする。」と明確に

 高橋氏は「伝えっておきます。後程返答します」




 2002年12月27日に返答が来ました。午前11時50分、千歳警察署地域交通担当次長の加賀氏(電話 0123-42-0110)から携帯まで連絡があり、私のクレームはこう答えました:

ーーーーーーーーーーーーーーーーー
 1)警察法第2条の下、特に飛行場ではこう停止することは「防犯のため」なので、「当然だ」。
 2)皆に声をかけるから皆の協力をしてもらう。どんな状況で人を停止して声をかける?「ケースバイケース」。
 3)有道氏の「ケース」では、「天野はあなたが外国人だと思ったんでしょう」。
 4)警察官は一切悪いことしていなかったので、お詫びはしません。お詫び状や書面上のやりとりはしません。
ーーーーーーーーーーーーーーーーー


 これを聞いてなおさら納得ができず、やはりこれは「外人ハラスメント」だと感じて、北海道警察本部相談センターの高橋氏に再び連絡しました。しかし、「またこの苦情を上にお伝えします。どうなるかは分かりません。」に留まりました。やはり、次のレベルに持ち込まないといけないと決心しました。




● 次の次のレベルとはどうなった?

 法務局人権擁護部札幌支局に報告すること

 03年1月6日(月)、法務局人権擁護部(第1合同庁舎(札幌市中央区北8条西2丁目)に連絡して(011-709-2488)担当の田口氏にこの事情を説明してこのレポートをファックスしました。そして、03年1月8日(水)午前11時から午後1時まで第二課長 田代 武氏と専門館西下 由美子氏と相談しました。内容は大ざっぱに言うとこの通り:

ーーーーーーーーーーーーーーーーー
 1)警察官と事情を確認しないといけない。しかもこの行動は違法性行為であるかどうかも内部の専門家と相談しないとこの場で判断できない。いつか返事するかは言えないが、この件についてまた連絡する
 2)有道 出人は北海道警察本部公安委員会(011-251-0110)に連絡してこの件に関して「苦情申し出をするべき
 3)差別に当たると判断されても、いずれに、人権擁護部は罰する権力、強制力などはないので、啓発のみ行える。警察官に助言することにすぎない
ーーーーーーーーーーーーーーーーー




● 次の次の次のレベルとはどうなった?

 03年2月10日(月)再び北海道警察本部に連絡し、公安委員会の芹川(せりかわ)氏と話しました。「文書にして郵送して下さい」と言われ、このレポートを印刷して送付しました。お返事をお待ちしています。




(これからもう少し私の考え方を説明させていただきます。言い方が強くなりますので予めご了承下さい)

 警察本部相談センターへ、人権擁護部へ、次のレベルへ・・・
 この動きはオーバーアクションでしょうか。


 もちろん、私はそう思いません。以前、警察は最近「外国人の犯罪が多い」と主張して外国人を犯人として公に掲示するポスター(関連リンクを参考に)と警察庁白書で指摘している。しかし、これは真実ではありません。外国人の犯罪率は日本人の率の半分くらいで、犯罪が起きれば確率として95.5%の場合日本人が犯人です。しかし、「来日外国人犯罪対策」(第2章)、「日本警察庁は来日外国人犯罪対策及び適法に在留来日外国人に対する犯罪保護等を行う『来日外国人犯罪等対策室』」を1999年に設けて、予算を得るために「パブリック・パニック」「外国人なら犯人によくなりうる」のイメージを意図的に宣伝しているのではないかと想像しがたくありません。

 意図的ではなくても、こうやって警察官は人が「外国人みたい」だけを理由として狙うのは我国では大変危ないです。何かの誤解があり得て、仮に逮捕や留置になったら、22日間で詰問されることもあり得ます。法律上では留置されている人の立場は非常に弱い(睡眠や食事を不足にして脅迫や暴力などのケースが多し人が結局意志が弱くなる)ので、告白することがよくあります。留置中に死去した(大阪)外国人のケースもありました(よって、元警察官僚の亀井静香衆議院議員は留置中に警察の誤り、強制的告白が起きるので日本の死刑廃止賛成派になった)。

 ここまでなるのはゴクまれだと思いますが、とりわけここまでの権力のある人に対してはもちろん防ぎとめること(checks and balances)が必要です。だから我国には「警察官職務執行法」が存在しています。そう守らない警察になると「防犯のために」むりやりの措置でも正当化できます。外国人の場合、既に理由無しで職務質問しています。ところが、もはや日本は外国人は外見だけで分からなくなる時代になったので、警察官はそれを承知し反省しないと権力の乱用となり、無実な人、特に日本の国際住民にキズを付けることとなります。

 あくまでも、警察官は国民および法を守をないといけなません。人の尊厳も守っること。なので、警察官は『相当な理由』を考えって声をかける時に人の納得のうえ協力してもらいましょう。「協力」と「強力」は違います。

 頑張って人権のために改善要請をし続けます。宜しくお願い致します。 有道 出人


アップデート 1
(2003年3月10日公開)
北海道公安委員会からの返答

1ページです。以上です。




Date: Thu, 13 Mar 2003 17:42:31 +0900
From: Arudou Debito <debito@debito.org>
Subject: 千歳空港警察「理由なし職務質問」の結論

皆様、こんにちは。有道 出人です。私は明日上京しますので、その前に早めに報告
したいことがあります。出版社に勤める友人は最近「急いで書いているから文章があ
やしいよぉ」と言っていますが、すみませんが今回ちょっとお許し下さい。

千歳空港警察「理由なし職務質問」の結論
2003年3月13日

 昨年12月、私は警察官に停止され「パスポートを見せて」の身分チェックになっ
た、とのことについて2月10日付の「ニュースアップデート」でも報告しました。
(経緯は http://www.debito.org/chitosecopcheckpoint.html
そのニュースは北海道公安委員会の返事でした。「適法な職務執行であると判断しま
す」。迷惑をかけたり、不快にさせることのお詫びがなく、これからどういうふうに
職務質問をするのか、一切書いてありません。それは千歳警察と二回の話合い、北海
道警察本部相談センターと2回の話合い、札幌法務局人権擁護部と二回の話合いの後
の効果です。
http://www.debito.org/chitosecopcheckpoint.html#kouaniinkai

 きょう(03年3月13日、午後3時ごろ)、その手紙を人権擁護部札幌支局にも
送ろうとしたが、03年1月8日(水)に相談した第二課長 田代 武氏(011-709-
2488)に連絡してFAX番号を聞くついでに、内部の調査はどうなったのかを聞こう
としました。田代さんは人権擁護部として「警察官と事情を確認しないといけない。
しかもこの行動は違法性行為であるかどうかも内部の専門家と相談しないとこの場で
判断できない。いつか返事するかは言えないが、この件についてまた連絡する」と言
った記録があります。2ヶ月間が経っても連絡が来なかった。

 田代さんは「いや、『行動は違法性行為であるかどうか』を調べることは言ってい
ません。それを判断する権限はこちらにはありません。」その後の言われたことはな
かなか納得できない部分が多かった。

田代さん:
========================================
 1)「啓発」を行いました。2月28日、北海道警察監察官室の鳥塚さん(011ー
251-0110)を呼んで、事情を説明して、有道さんの気持ちを伝えました。「このよう
な行為は慎重に行ってください」と言いました。

 2)「分かりました」と鳥塚さん。しかし、有道さんの要請したこと(つまり「有
道氏を理由なし停止をしてすみませんでした」、「停止して迷惑となりました」、「
これから [この理由で] 人を停止し職務質問をする。」)の答えはありませんでした。

 3)有道さんにこの啓発があったとの「レポート」を発行することはできません。
人権擁護部には色々な内部のルール・通達があります。改善を要請した有道さんは「
どんな啓発、誰との啓発」などの記録がほしいのは分かるが、発効するとプラバシー
の問題があります。(田代さんは鳥塚さんの名刺さえもらいませんでした)

 4)「レポート」じゃなくても当件の「啓発」の記録が欲しければ、どうぞ合同庁
舎2階の「庶務部」まで来て情報公開を願ってください。(申込者の連絡先も出す必
要があり、公開料金もかかるようです)

 5)改善を要請した人にもレポートを出さない理由が「プライバシー」の問題に関
する通達などは有道さんに見せられません。それも、庶務部に来て願ってください。

 6)有道さんが警察官にこうやって停止されたことまたは質問されたことは「迷惑
」だったさえ言い切れません。

 7)北海道公安委員会から届いた手紙をこちらに送信する意志があればどうぞ。が
、法律上、私たち人権擁護部としてこれ以上の「啓発」を行えません。

========================================

 正直に言うと、がっかりしていますね。私たちの税金を取ってなんの仕事をしまし
たか。せっかく会合して文章にしたレポートを擁護部さんに届けたのに、こちらから
啓発を報告していただくためにこちらから電話しなければなりませんでしょうか。官
官の会合なら該当者の私からどんな「プライバシー」がありますか。通達さえFAX
していただけないことは民間に責任感を感じていますか。東京の本部、人権擁護局(
03-3580-2488)に電話して、本当にここまでのみ要請者に責務が止まるかを尋ねるか
なと思ったが、きょう時間はありませんでした。

 代わりに、北海道警察監察官室の鳥塚さんに電話しました。話合いの結果は:

鳥塚さん:
========================================
 1)要請を聞きました。覚えています。

 2)有道さんは警察官に停止されたことは不快かもしればせんが、業務上ではヤム
をえないことです。12月に結構色々な犯罪がありますから。

 3)「日本人です」と言えば警察官は職務質問を中止します。警察官は「日本人だ
ということを証明して」と要求すれば、やむを得ずに協力すればどうでしょうか。あ
なたは帰化した日本人でも日本人にみえないから仕方がありません。

 4)「どこに行くか」または「身分証を見せて」との法律上の質問の法律上の違い
は警察内部で再度教育するような措置、連絡をするつもりはありません。

 5)個人的に不快感はすみませんが、書面上お詫びまたはどんな措置を採るかは発
行するつもりはありません。一応、公安委員会から送った文章は私たちの立場です。
これ以上書きません。

 6)これからそれぞれの日本人にみえない日本人は出てくるだろうが、警察官業務
上にはご協力をお願いします。

========================================

 では、この問題について3ヶ月かけてこの結論に至りました。日本は警察に関する
救済制度は足りません。それだけ皆様に述べさせていただきます。もと知られるべき
なことだと思います。これ以上致すことはできないので、念のために最後の報告を致
します。少なくとも、それは人権擁護部よりもフォローをしていると感じております。

 宜しくお願い致します。有道 出人 以上

ENDS


「千歳空港警察不当職務質問事件パートIV」

法務局人権擁護部の人権擁護不作為
「特定の個人」によって情報公開却下

有道 出人 著
http://www.debito.org/nihongo.html
2003年6月17日発行

 このケースは6ヶ月間の経緯があるので、聞いたことあるかもしれないことをこれから述べさせていただくので、覚えていらっしゃる方をどうぞ、次の部分を飛ばして下さい。
------------------------------
 経緯:02年12月11日、私は上京に行く途中、北海道新千歳空港の郵便局の前で北海道警察が私のパスポートの提示を要求しました。理由は教えてくれませんでした。私は「外国人の場合、外国人登録法により警察官はいつでも、どこでも外国人から身分証を要求できるのは分かります。しかし、日本人の場合ならできません。警察官職務執行法上、犯罪を起こしたまたは起こしそうな相当な理由がなければ職務質問はできません。私は日本人ですので、なぜ私が不審者だと思ったのですか」と言っても、警察官は「いや、皆さんに聞くから」と言いました。私は「納得できません。日本人は『パスポート』を常時携帯しないので、外国人だったと思ったに違いません。というわけで、外見のみで『私は不審者』だと判断したようです。これは人権問題ましてや違法行為ですよ。もっと説明して下さい。そして謝って下さい。」警察は協力しませんでした。それから私はその警察官の上司と相談しても、同じ答え。結局道警察本部、公安委員会に2回ずつ連絡と文通したうえ、結局その警察の通年は「あなたは外見上白人だから、その誤解は仕方がない。外国人だと思って警戒をしたのでは?」。「なぜ外国人を理由にし警戒が必要ですか。人権意識が乏しくないのでは?」と説明しも、一切私に「迷惑をかけてすみません」を言ってもらわず警察署は反省した態度をとりませんでした。よって、札幌法務局人権擁護部と03年1月上旬、人権相談室に助言していただくために参りました。参考サイトは (http://www.debito.org/chitosecopcheckpoint.html)
------------------------------

 では、これからニュースです。
 03年3月6日付、北海道公安委員会よりの便り(全文):

------------------------------
 「平成15年2月10日付で当公安委員会に申し出のありました件について、北海道警察に指示して調査した結果を回答します。

 警察官は、警察官職務執行法第2条の要件に該当しない場合であっても、警察法第2条の警察の責務を果たすために、相手に応答の義務を果たしたり、それを強制するものでない限り、任意活動として職務質問を行うことができるものであります。

 申し出の件については、千歳警察署の警察官が、上記に基づいて強制にわたることなく任意の協力を求めて職務質問を行い、有道様が日本人であることを申し立て、任意の協力を得られない判断した時点で質問を中止したものであり、適法な職務質問であると判断します。

 警察では、今後とも適正な警察活動の推進に努めて参りますので、ご理解とご協力をお願いします。」

(該当する連絡先、担当の名称なし)
(http://www.debito.org/chitosecopcheckpoint.html#kouan)
------------------------------

 この文章を読んで憤りを感じました。日本国外務省は国連に2001年10月発行した「人種差別撤廃委員会の日本政府報告審査に関する最終見解に対する日本政府の意見の提出」文の中、

------------------------------
 「9)パラ13の「公務員、法執行官、および行政官に対し適切な訓練を施すよう要求する。」について、(中略)こののように我が国では、公務員や法執行官及び行政官に対し、人種差別撤廃を含む人権教育を行っており、今後とも更に右教育の充実に努めていく所存である。」
(http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/jinshu/iken.html)
------------------------------

 この教育がきちんと施されて、「『外国人』だけで職務質問にとって相当な理由とならない」という認識が警察署に共有されていれば、道警察はこうした対応はなかったはずでしょう。それどころか、北海道公安委員会は「適正」と新たに主張しています。
 この場合、私はどうすればいいでしょうか。日本政府は人権侵害があったと感じる人のために「人権擁護部」があります。前述の外務省の国連レポートをまた読むと、

------------------------------
 「7)(中略)法務省の人権擁護機においては、人権尊重の普及高揚を図る立場から、人種差別の問題も含むあらゆる差別の問題について積極的に啓発活動を行い、また、人権相談所を設けて差別を受けた方からの相談に応じるほか、具体的に基本的人権の侵害の疑いのある事案を認知した場合には、人権侵犯事件として速やかに調査し、侵犯事実の有無を確かめ、その結果に基づき、事案に応じた適切な処置を講じるよう努めているところである。」
------------------------------

 「速やかに調査し、侵犯事実の有無を確かめ、適切な処置を講じる」建て前としていいが、私は実際に相談してみると実際にかなり違う対応があった。

 1)03年1月8日 人権擁護部札幌支局の第二課長の田代氏と千歳警察事件について相談。私のメモによると、田代氏は「違法性行為であるかどうかを調査してみる」。私は「後程レポートを下さい」それ以降、人権擁護部よりご連絡なし。

 2)3月7日 上記の北海道公安委員会より手紙が届く。後日、私は公安委員会の塚田氏に連絡し、彼は「文章以上この件についてコメントはなし」

 3)3月27日 私は人権擁護部の田代氏に再び電話。田代氏は「警察の啓発が行われた」と主張したが、「結果を当該者にレポートにし出す責務はない」。私は「誰と啓発した、どんな啓発を行った、啓発された相手はどういう返事かつ説明、これから北海道警察署は職務執行を実行する方針はどうなるのか、教えて下さい」と願ったが、田代氏は「法的にはその情報を公開できない。レポートも提出できない」。私は「その法律を見せて下さい」と言っても、田代氏は「庶務課に来て情報公開法で請求して」。最後に私は「そして、違法性行為調査の結果は?」田代氏は「その調査を行うという約束は一切身に覚えはございません」

 4)4月15日 私は札幌合同庁舎庶務課に参り行政文書開示請求書を提出。「クレームした本人にレポートを出す責務がないと指示する規則」と「田代さんと道警察本部公安委員会と2月28日ごろ、啓発記録」を要求する。300円印紙代を支払った。



 5)4月下旬 人権擁護部から電話。「実は該当する規則は法律だから情報公開法で要求しなくて結構だった」と告知。私は「田代氏の助言が誤ったので、彼に電話を変わって謝ってもらう」と言い、擁護部の相手は「田代氏は転勤。現在の行方を公開できかねる」

 6)5月12日と13日 請求書提出のほぼ1ヶ月後、法務局から返答。人権擁護六法より「人権相談取扱規程」が届いた。

 次ぎの日「行政文書不開示決定通知書」も手に入る。不開示決定とした理由は「開示請求に係わる行政文書の存否を答えることにより、法第5条号の不開示情報に該当する「特定の個人が人権侵犯の申告をしたという事実」が開示されるのと同様の結果が生じるため法第8条の規程により不開示とした」



 7) 5月22日 札幌法務局人権擁護部と庶務課と再び相談。第二課長佐藤郁子氏は「『特定の個人』は有道 出人本人だ」と認め、「自分から私のプライバシーを守るわけですか。納得できない」。私は「本当に警察署へ啓発を行ったかは証拠が一切ないので、先日いただいた人権相談取扱規程によると絶対に記録が残るはず。残らなければ人権擁護部の不作為となる。」

 よって再び情報公開経て庶務課で具体的な記録を請求する:

 1)「相談の内容、回答及び処理の概要の記録」(当規程第六条に基づき)、2)「人権相談票」(第十一条)「人権相談の取扱状況の報告」(第十二条)










 なお、人権擁護部青森支局(三沢市外国人排斥飲食店の件 (http://www.debito.org/misawahaiseki.html#aomori))と旭川支局(紋別市外国人排斥飲食店の件 (http://www.debito.org/jinkenyougobu070400.jpg))と同様に、札幌支局も啓発結果通知の郵送を要求した。(以前、99年と00年の私からの札幌支局は小樽温泉問題などについての文書を見落とし、外国人を排斥した温泉「湯の花」さえ啓発しにいかなかったようだ)。田代氏の誤った指示の件もお詫び状を要求した。今回1ヶ月をかからずに速やかな返答を乞った。
 印紙代300円を支払った。

 8)6月3日と11日 人権擁護部札幌支局からお電話。請求された件数が複数なので、更に300円印紙代がかかる、という知らせ。私は出張の直前と最中のため納金はできかねた。未納のままなら請求は取り扱いできないと勧告した。それに、係員は「この開示請求された項目は以前と同じですか。同じ項目なら同じ不開示という返答となりますよね」と注意した。「いや、本件は抜本的に違う。前回、抽象的に情報を要求したが、今回は具体的な記録だった。今回は『行政文書の存否』は要素ではないはず。存在しないと主張されたら人権擁護部の法的不作為となるので、新たな請求です。速やかな公開を期待しております」と言った。

/////////////////

 結論

 いよいよこの事件が起きてからおよそ6ヶ月が経過しました。4回も中間報告を書き出したので、新聞記者と弁護士は興味深く読んでいただいて相談相手になって下さいました。記者は人権擁護部札幌支局に電話して実情を確認していただき、当局は最も真剣に手続くかもしれません。

 弁護士は「この情報公開法はよく、官僚が公開したくないことを『特定の個人』で抜け穴を用いります。または医者も患者に自分の医療記録の公開を拒否するケースが多くなくはないです。でも、法例を参考にし、法廷にで争うと殆ど勝訴するよ・・・」

 なるほど。このケースは珍しくないようです。しかしこの時点で、まさか「裁判をしよう」と考えておりません。小樽市を相手取る控訴らで充分です。

 ただ、今回の人権問題は「外国人排斥」ではないが、共通点があります。「外見で人柄を判断できる」という前提は警察官にあって私を停止して職務質問をしました。その社会的盲点は私の単行本「ジャパニーズ・オンリー」(http://www.debito.org/japaneseonly.html) のテーマ一つでした。日本政府が国連に報告する人権レポートでは効果的な「法執行官及び行政官に対する人種差別撤廃を含む人権教育」は公然に主張できるのでしょうか。

 国連は既にこの様子を関知しています。日本政府は国際人権(自由権)規約委員会が98年11月に発行された『日本政府の報告書に関する「最終見解」』(国連文書CCPR/C/79/Add.102)の中、こう勧告されました。
------------------------------

 9 委員会は,人権侵害を調査し,申立てに対し救済を与えるために利用可能な制度的な仕組みの欠如について懸念を有する。当局がその権限を濫用しないこと及び当局が実務において個人の人権を尊重することを確保するために,実効性のある制度的な仕組みが必要である。委員会は,日本の現行の人権擁護委員は,法務省の監督下にあり,また,その権限は勧告を発することに厳しく限定されていること,そのような仕組みにはあたらないと考える。委員会は,締約国に対して,人権侵害の申立てを調査するための独立の機関の設置を強く勧告する。

 10. 〈警察や入管での虐待を救済する機関の設置〉

 さらにとりわけ,委員会は,警察や入国管理局職員による虐待に対する申立てを,調査や救済のために行うことのできる独立の機関が存在しないことに懸念を有する。委員会は,このような独立の組織や権限を持った機関が締約国によって遅滞なく設置されることを勧告する。

(http://www.kiwi-us.com/~selasj//jsc/japanese/info/info03.htm)
------------------------------

 98年からおよそ5年間が経過していも、この千歳空港に遭った事件で私は日本の救済制度の改善があったと思えません。

 日本でも「法の前では万人が平等です」という掟がありますが、外国人みたいな人ならそうならないことがあります。万国共通かもしれませんが、私の規模の小さいケースでも参考にしてみると、我が国では法執行官は法律を違反しても責任をとらせられず、権力が委ねた人権擁護執行官は黙認しています。これは国際条約違反のみではなく、国体にとって非常に不健全な状態です。歴史的に言うと、法的乱用は牽制できない国は益々堕落する恐れがあります。速やかに差別撤廃法を整備しましょう。

 有道 出人 著
http://www.debito.org/nihongo.html
2003年6月17日発行
-------------------------------

関連サイト:


国連人種差別撤廃委員会宛の第一および第二回の国内人権擁護に関して「日本政府報告審査」(99年発行)全文、人種差別撤廃委員会の日本政府報告審査に関する最終見解」(01年発行)全文、および「最終見解に対する日本政府の意見の提出」(01年発行)全文は
http://www.debito.org/japanvsun.html
(英文のみだが、近頃に和文を掲載します。後程もこのサイトをご覧下さい)
ENDS


「千歳空港警察不当職務質問事件パートV」

法務局人権擁護部の人権擁護不作為
「特定の個人」によって情報公開却下(2回目)


有道 出人 著
http://www.debito.org/nihongo.html
2003年8月10日発行

 法務局人権擁護部札幌は2003年6月23日付の通知書によると、以前と同じ理由で情報公開法で要求した千歳警察署の不法職務質問に対する啓蒙の証拠を不開示にした。

 その理由は「開始要求のあった文書の存否を答えることにより、法第5条1号の不開示情報に該当する『特定の個人が人権侵犯の申告または人権相談を行った。、若しくは行わなかったという事実」が開示されると同様の結果が生じるので、法第8条の規定による不開示とします。」




 それに、私が願わなかった情報、「外国人の人権尊重」についての「人権相談統計総表」を公開しました。



 用件が混乱になってしまいました。でも、通知書では、「開示しないこととされた部分について、不服がある場合には、行政不服審査法(昭和37年法律第160号)第5条の規定により、この決定があったことを知った日の翌日から起算して60日以内に、内閣総理大臣に対して審査請求をすることができます。」

 では、抗議文を書きました。自由人権協会の援助をいただいた上、見本はhttp://homepage1.nifty.com/clearinghouse/toppage/howto/sinsaseikyu.html で見付けました。


 2003年8月10日、書き留めで送付しました。御返答を待ってみましょう。

 有道 出人 著
http://www.debito.org/nihongo.html
2003年8月10日発行
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ENDS


札幌人権擁護部より回答
(ファックス用紙、2003年8月14日付)

ENDS



他の関連リンク:

警察の留置が22日間の手続について
http://www.debito.org/arrestperiods.html#japanese

外国人を狙う日本警察署が発行した駅・ATM機械で掲げるポスターなど
http://www.debito.org/TheCommunity/communityissues.html#police

第2章 来日外国人犯罪対策
http://www.npa.go.jp/kokusai2/h12/contents.htm または
http://www.debito.org/chitosecopcheckpoint.html#policetaisaku

亀井静香議員の日本の死刑廃止について
http://www.asahi.com/column/hayano/ja/K2002052800560.html
http://www.asahi.com/edu/nie/syasin/kiji104.html

外国人の犯罪率は日本人のより半分(英語)
http://www.debito.org/TheCommunity/communityissues.html#olafjt

来日外国人犯罪対策発行:来日外国人犯罪の統計(1992-2001)
http://www.debito.org/TheCommunity/crimestats.html

人権擁護団体アムネスティ・インタナショナルは日本の刑務所中の状況(英語)
http://www.amnesty.org/ailib/aipub/1998/SUM/32200498.htm

外国人は留置の間の死去なども報告されている(英語)
http://www.glocom.org/special_topics/eu_report/20021122_eureport_s32/

留置、強制告白させた外国人らの経験(英語)
http://www.debito.org/policeapology.html#detention
ENDS


なぜ日本警察は外国人をターゲティングしていますか。
警察庁「国際化対策委員会」のお仕事です。

Date: Fri, 18 Oct 2002 15:28:26 +0900
From: Arudou Debito <debito@debito.org>
Subject: 警察庁「国際化対策委員会」

皆様、こんいちは。有道 出人です。いつもお世話になります。

現在随筆中なので、研修するついでに、この面白い警察庁のサイトを拝見しました。

http://www.npa.go.jp/kokusai2/h12/contents.htm より
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第2章 来日外国人犯罪対策(抜粋)

第1 警察来日外国人犯罪対策
警察では、我が国治安上の最重要課題の一つである来日外国人犯罪に的確に対応するさめ、次の諸対策を推進している。

1 組織実態解明を事件検挙の推進

我が国に進出しつつある外国人犯罪組織や、不法滞在者を中心にグループ化し種々の犯罪を敢行する不良外国人集団の実態解明と摘発を中心に対策を推進中である。

また、来日外国人犯罪の温床となっている不法滞在者の問題を解消するため、不法入国や不法就労助長罪等の摘発にも取り組んでいる。

警察では、来日外国人犯罪に係わる諸対策及び国際情勢に的確に対応する諸対策の推進を図るため、平成11年5月、警察庁内に「国際化対策委員会」を設置し、その下に来日外国人犯罪対策及び適法に在留来日外国人に対する犯罪保護等を行う「来日外国人犯罪等対策室」を設け、都道府県警察においても同様の組織を整備するなど、捜査体制を強化している。

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この「国際化対策委員会」とは、私のネーティヴじゃない理解度だが、まるで「国際化」が社会問題扱いで「対策が必要」という解釈は過言でしょうか。もちろん、ある程度多文化社会になりつつ日本は異文化による摩擦、軋轢、誤解などを解決しなければならないと思いますが、今までそれぞれの警察署は「外国人が不良者・不審者・犯
罪者が多いため気を付けて」とのイメージを公に助長する傾向があると思います。ならば、警察庁は「国際化」の意義、社会進展、成果などはいささか誤解していると思います。

例えば、上野警察署・地域総務発行の「地域ニュース」より:
http://www.debito.org/TheCommunity/uenokeisatsu1002.htmlで見えます。
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4個目マンガがあります。
パネル1:有色人種の不審男女は銀行付近で角で自分を潜伏して、片仮名で「カモネ、カモ!」を言って、銀行から出る無色人種の女性を狙う場面。

パネル2:ずるい顔をする有色人種の男性が「オー、オカネ オチマシタヨ!」と無色人種の女性の気を逸らす場面。

パネル3:無色人種の女性は「わ、私の?すみませんネー」としゃがんでお金を拾うために手をハンドバッグから話して、有色人種の女性が近寄って男性が「イイエ ドウイタシマシテ」。

パネル4:狙った男女は「パッ」と消え失せて、無色人種の女性のハンドバッグをひったくりする。

キャプチョン:
被害にあった、不審者をみたらためらわずすぐ110番守ろうよ あなたの好きな 街だから
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関連リンク:
The Community:それぞれの警察署の外国人のターゲティングについて
http://www.debito.org/TheCommunity/communityissues.html#police
なぜターゲティングをするのか?私の感想文(ジャパンタイムズ02年10月4日記
載)
http://www.debito.org/japantimes100402.html
外国人の犯罪率と明細(警察庁 2002年3月発行)
http://www.debito.org/TheCommunity/crimestats.html

いずれに、ある時に警察庁にこの「国際化対策委員会」の役割、狙いは何ですかを尋ねればいいのではないかと思います。

宜しくお願いします。
有道 出人
ENDS

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