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国際の集いの催し方について
自己点検の為、私なりのアドバイス
北海道情報大学 講師 アルドウインクル 出人

(「日本人も外国人も住みよい町作りを目指している」江別市国際交流協議会にて
平成10年7月8日(水) 発表した)


 「国際の集い」というのは大変良い催しだが、たいてい「日本の国際化」や「日本の将来」の為だと言われている様である。でも、行なう理由が単なる「for fun」、「楽しみの為」にもなれると思う。  とりわけ、もし「国際化」等の大袈裟な目的になれば、なるほどパーテイの雰囲気が堅苦しくなり、楽しみがなくなりがちだと思う。  だから、出席者の忌たんのない雰囲気を保つのに、いくつかの小さなアドバイスを申し上げ度く思う。ご実行を検討して下さい。


イ)相違点ではなく共通点を強調してほしい  
違う故郷から来た人に母国の様子について聞くと、「向こうが違う」という大前提から話す傾向が強いと思う。気軽にこう問われる:「寿司、納豆、食べれますか」、「箸、使えますか」、「日本にあるこういう物は外国にはないですよね」。要は、食べ物、好み、[箸の]技量が日本と日本人にユニークだと仮定しない方がいい。質問をしたいなら、「向こう、ないですよね」より「向こう、これはありますか。」と素直な言い方が好ましい。

ロ)日本人じゃない出席者を「短期的なゲスト」として待遇しないでほしい  
「外国人は一時的に来日して、結局帰るでしょう」という想定のもとに、「いつお国に帰るですか」、「お国は?」等を問う。統計的に主な外国人はそうするが、皆がそうすると断言が出来ない。私に例えると、永住権、土地所有権を持し、永住する積もりなのでマイホームが北海道だと感じる。「どこから来ましたか」に対して「南幌」と返答する。「出身地、生まれた所はどこですか」と聞いてもいいが、「どうせあんたはここ、日本に属しないんだから」とのニュアンスがある質問をしないで下さい。しかも、

ハ)出席者を「国の代表」よりも「個人」として交わしてほしい  
出席者は訓練を受けた外交官ではないので、この集いは比較文化を勉強するチャンスだと感じない方がいいと思う。極端に言うと、国際友人関係を促進する機会でもない。その実、友人関係、他人と親睦を図る為のであると思う。「或る国の人だから」という理由で知り合わない様にしよう。最も深い人間関係は「国家」よりも、「人々の心」のつながりだと思う。

ニ)お節介焼きにならないでほしい  
「日本の作法」、例えば「箸の使い方」等、を自発的にアドバイスや伝授しない方がいい。なぜならば、相手が既に分かっているかもしれないか、子供扱いに見える可能性もある。善意でしているにもかかわらず、相手にとってありがた迷惑かお節介だかもしれない。相手から日本に関する質問を待って下さい。

ホ)「排他的」にならないでほしい  
「これが日本だから、日本人はこうしないから、あなたのご提案は難しい。」この集いの目的、一つは日本人じゃない方から市民の活動に参加するのを招くことである様だ。相手からのお勧め等を最初から「日本の社会と両立出来ない」と言ってしまったら、出鼻を挫かれて、出席者は二度と出席しないと思う。前向きな姿勢を保って下さい。

ヘ)相手が好んでいる言葉を話してほしい  
もし相手が日本語で話したければ、是非その人と日本語で話して下さい。「外国人には日本語が難しすぎるから、他言語で話してあげた方が親切だ」と思い込まないで下さい。しかも、「国際親睦会」ならば「英語や、外国語の練習のチャンスだ」と思う人もいるであろう。こうなると、出席者は生きLLとなり、勉強の手段として利用されていると感じる可能性がある。それ故に、最もいい方法は、始めに「何語で話しますか」と日本語で聞くし、交流を容易にする言語をお互いに決めて下さい。

ト)議事より楽しみ  
日本的なパーテイというと、指定席、スピーチ、イベントをスケージュルに入れて厳守する、というイメージが強い。その結果、会話が発表者に限られ、個人同士のコミュニケーションは広がらないと思う。  日本にも日本のやり方があるのは分かるが、私なりのアドバイスをすると、会話は自由にした方がいい。指定席にせず、椅子は壁際(かべぎわ)にし、人がぐるぐる廻れて自由に出会い話しが出来るようにさせたい。スピーチをせいぜい5分間にし、一番最初と最後にしてほしい。議事があれば、パーテイの最後の15分間にした方がいいと思う。アルコールで活性し、自主性があるパーテイの雰囲気を出したい。海外のカクテール パーテイを参考にして下さい。この集いをFunにしよう。


国際、集いの際、さけてほしい言い方 (和/英)  

1)外人/foreigner。
相手を呼びかける時に、名前を使って、相手の国(「外国」のみではない)を覚えてほしい。呼びかけに個性を。  

2)我々ニッポン人/We Japanese。
「ニホン人」、"Most/Many/Some Japanese"で意味が伝わると思うので、「我々」の感覚、ニュアンスが必要ではない。「我々」を使うなら、言語的に「身内、よそ者」のカベが出来上がると感じられる。  

3)皆こう思います、皆はこうします/Everyone thinks this way, does things this way。
社会的に話すと、よく「100%こうである」との言い方が出る傾向が強いと思う。それは大袈裟だと思うし、対照的な言い方であれば、高姿勢を示しているように解釈されられる。「たいていの人...殆どの人は...」"Almost all..., Most Japanese..."を言って下されればと思う。  

4)僕はあなたの国が好きです。だからあなたと付き合いたい/I like your country, so that's why I want to meet you. 
国でなく、個人個性のレベルで付き合って下さい。  

5)外人が多くて、日本らしくない。
多分誰もこれをあえて言わないと思うが、この間のフィンランド見本市のパーテイで耳にして、大変不快だった。日本語で軽率な捨てゼリフに気を付けて下さい。日本語が理解出来る出席者が多く居るかもしれない。  

6)日本語がお上手ですね。
これを言うなら「何が悪いのか!」と反発が出るかもしれないが、毎日これを聞くと飽きてしまい、誠意が込められているか条件反射だけなのかを疑ってしまう。数年間、誰でもある程度在日すると日本語が上手になるのは当り前だと感じてほしい。そうしないと、あくまでも自分がゲストだと感じる。お世辞は飽きられるので、能力について評価を出さなくても結構です。違うことについて話そう。


要は、このパーテイの目的は「外国からのゲスト」を「自分が外国からのゲストだ」と感じさせないことだと思う。「自分が皆の友達だ」と感じさせること。その為、一番いい方法は外国人と話す時、日本人と同じ様に話して下さい。個人と個人での話しでは、相違点を強調せず、相手と交流しやすい言葉で(もちろん日本語でも)色々な話し合いが出来れば、大変成功したパーテイになると思います。

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