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「日本人ではない者」として私のみた日本の行政の改善点

(Sent to DFSJ and Japanese Friends Tue, 25 Nov 1997)
このスピーチに関する英字レポートはこちらです)

北海道情報大学 講師 アルドウインクル デビット 平成9年11月20日(木) 講演

概要、キーポイント

日本の将来は国際化にあると思う。国連安全保証理事会に申し込む「正常国」として のイメージを保つのみではなく、ますます日本の社会は老齢化が進み、納税者の数が 低下する予想でもある。この為、「他国民」の溶け込みも非常に大切なこととなる。 これを最も促進するのに、政府と官僚は前向きに平等待遇を進め、差別を無くするこ とは不可欠である。

官僚が行なえる改善点は「小」(即ち官僚が率先すれば改善できると思う点)と「大 」(即ち、実行するかいがあると思うが、新たな視点から創造していくことが必要) に分類した。

「小」な改善点

イ)言い方を気を付けてほしい。即ち、「外人」/「外国人」の代わりに、 「日本国籍/日本人ではない方」、「他国民/人」、「ノンジャパニーズ」を書類で 使い、発言する際でも使用するべき。現在の認識では、外人は帰化しても「外人」の イメージはなくならないし、「日本人」になることはまだ「血」で関係しているので 、人種差別となる。きちんと官僚レベルでも「国民は国籍」の認知を進め、即ち「顔 」と「血」と「外見」ではなく「日本人=日本国籍」の概念が公に告げてほしい。

ロ)永住者なら「再入国許可」を廃止してほしい。出入国する際、他国籍の ある者のみが3000円/6000円を強制的に支払わなければいけない。問題は、入国管理 局のない町に住んでいる者には大変不便だし、永住者にとって特に「外人TAX」と強 く思われる。

ハ)日本に国籍がない者にも住民票を出してほしい。永住権を有する者は住 民税等を払っているし、住民と同じに滞在しているので、同じ待遇をするべき。ちな みに、昭和42年の政令292によると、「事実上の世帯主」として他国籍の配偶者は備 考欄に載せられるが、実際に夫の場合だけとなる。他国籍の妻は世帯主になるのは無 理があり、絶えず住民票ではいわゆる「透明人間」に残る。「Invisible Wife and M other」は性差別だし、地震、災難の時なら非常に危険です。行方不明者になること も有り得る。要するに、結婚して住民である事実を反映する為に、国籍と住民が関係 ない住民票制度を設けよう: a) 国際結婚の場合、他国籍配偶者を住民票の備考欄に必ず乗せてほ しい。 b) 他国籍者は永住権を有すれば、個人の住民票を設けてほしい。

ニ)国際結婚の場合は、戸籍の配偶者欄で「夫」、「妻」としてきちんと載 せてほしい。現在の法律では、国際結婚は「混合」の言い方もある。結婚は結婚で公 に認めてほしい。

ホ)国籍に関する差別をなくするオフィスを設けてほしい。「ペット、外人 お断り」というアパマン斡旋社、レストランは存在している。「外人嫌がらせ」の会 社もある。クレームがあれば、後の捜査、フォローアップが出来るスタッフを設けて 、マスコミとのリンクも作った方がいい。社会の改善の為、差別を無視して「臭いも のにフタを」をやめさせよう。

ヘ)ノンジャパニーズも公務員になる資格が充分にあると認めてほしい。他 国籍者を日本人と同じ様に国家公務員として雇用し、管理職の地位に付ける様にする べき。

ト)大学教員任期制を他国民にも明示してほしい。現在の状況では、「契約 」の制度は幾分明示されたが、どうやって外国人教師、教員は「正規」になるのかが 不明。Tenureをもらう為に基準がある7年間「Up or Out」制度を実施した方がいい。

チ)帰化の手続きを簡潔にしてほしい。現在の状態では、申込は非常に複雑 だし、決定も数年間もかかるし、色々な面で恣意的な判断が有り得る。例えば: a) 戸籍謄本を記入する為に、他国では発行していないか、存在し てないか、もしくは記入しにくい書類を要求する:「長男証明書」「父母結婚/離婚 /再婚証明書」「養子縁組証明書」「親族の概要」「生計の概要」誕生からの「住所 の履歴書」等 b) 素行調査は調査員が個人的に「違和感」がなければ合格。家の 内装まで調査し、隣人に訪ねて「へんな人だと思ったことがある?」と尋ねるし、難 しさは各調査員次第様である。 c) 人の名前まで結構けちを付けることもある様。 d) 細かいことで却下ケースがある。スピード違反など2回あれば 数年間も検討になるか拒否。たいていな日本人はこれなら不合格であろう! この手続きを若干緩和しないと、帰化の引き止めとなり続ける。

「大」な改善点

イ)国際社会にふさわしい青年を育ててほしい。国公立小中学校で「差別用 語」等を教えるべき。たいてい「違いがある人」に対して日本人は不器用な言い方を しがちだと思う。防ぐ為に、社会の根本、青年に「区別」と「差別」の違いを教える こと。

ロ)両国籍を認めてほしい。私、個人として、帰化したいが、米国のパスポ ートを放棄するのは非常に難しい。私の子供も両国籍であるが、20歳で国籍を決め るのは難しいであろう。帰化の為には自分のアイデンテテイを犠牲にするのは緩和し た方がいいし、日本も移民者に対して歓迎する態度を見せれば帰化が多くなる。

ハ)数世代における永住者に対する呼び掛けを考え直してほしい。三世代の 「在日韓/中国人」なら、「韓国/中国系日本人」にすれば良いであろう。たいてい 永住しているし、日本人と変わらない人生を送っているので、その人も日本人だとし て扱ってほしい。

ニ)日本生まれの方には日本国籍を与えてほしい。「血」と「国籍」を結び 付けることは人種で決定することになる為、色々な問題が生じる。出来れば、両国籍 を有する「ダブル」の子供は成人になっても両国籍を持ち続ける様にしてほしい。

最後に、上記のことを幾分実行しても、それぞれの問題が起きる可能性がある。公務 員がこのような情報を得る為に、日本人じゃない者をコンサルタント/アドバイザー として雇用することが望ましい。パートでもフールでもいいが、あくまでも「少数民 族の声」を聞くべきだと思うし、小数民族を理解出来る人は小数民族のみであろう。 毎月、公務員に報告する職務を与えれば、日本社会には良い結果があると思う。

とりわけ、他国人の中には「ゲスト」や「短期的な住民」ではない者もいるという事 実を認めるべき。大勢になり、小数民族にもなりつつあるし、税金で勤務で日本の社 会に貢献している。溶け込ませる社会を作るといい結果がある。他国では、溶け込ん で住んでいる日系人が喜んで貢献をしているに違いない(例:ペルーの藤森大統領) 。日本でも有り得る。皆様公務員が率先して、上記の改善を行えば日本は最も住みや すい国になると思う。

以上