2001.02.01  18:18  社会 093    478字
一部に根強い排他意識  外国人受け入れで客離れも
(共同通信)

【編注】サイド、札幌発
 北海道小樽市の入浴施設の外国人拒否問題は、海外紙も日本の閉鎖性の象徴として取
り上げ国際問題化した。北海道での外国人アレルギーは根強く「客が離れる」と外国人
を締め出す店は後を絶たない。
 一年前、この問題で対話集会を開いた小樽商科大の船津秀樹教授は「問われているの
は一部市民の排他性。差別はいけないと頭では分かってきたが、気持ちは変わっていな
い」と話す。
 外国人を拒否していた小樽市の別の入浴施設が客に行ったアンケートでは、外国人受
け入れ反対派が五一%、容認派が三五%。受け入れに踏み切った昨年、一部の客は「外
国人がいるなら帰る」と抗議、一時は客が二割近く減ったという。
 北海道では、ロシア船員とのトラブルを理由に稚内市の入浴施設が浴場を日本人用と
料金の高い外国人用に分けたり、紋別市の飲食店組合が「日本人専用店」のロシア語看
板を配るなど極端なケースが目立つ。
 入浴拒否に対し提訴した有道出人さんは「外国人という外見で人を排斥するような企
業、行政を放っておいてはいけない。日本のためにも、みんなが住めるような社会をつ
くることが大事だ」と訴えている。
 【編注】ふなつ・ひでき▽あるどう・でびと
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   2001.02.01  18:10  社会 092    470字
入浴拒否は人種差別と提訴  小樽市と浴場に賠償請求
(共同通信)

【編注】本記、札幌発
 入浴を拒否されたのは人種差別撤廃条約に反するとして、米国出身で日本国籍を持つ
大学講師有道出人さん(36)=北海道南幌町=と外国人の計三人が一日、小樽市内の
入浴施設を運営する会社と同市に計六百万円の損害賠償などを求める訴えを札幌地裁に
起こした。
 訴状によると、有道さんと原告の一人は家族とともに一九九九年九月、小樽市内の入
浴施設を訪問。「外国人の入場はご遠慮下さい」との張り紙を無視して入ろうとしたが
「外国人が入ると、よくトラブルが起き、日本人が敬遠する」として、入浴を拒否され
た。
 有道さんは日本国籍取得後の昨年十月、施設を訪ねて免許証を見せ「私は日本人だ」
として入場しようとしたが「日本人の客は外見で判断する。客が嫌がる」として、拒否
された。
 九九年九月以降、有道さんらは小樽市に人種差別をやめさせるよう要請したが同市は
有効な対処をしなかった。原告側は「小樽市は国際都市を標ぼうしているのに、人種差
別撤廃条約上の義務を果たしていない」と主張している。
 これに対し、小樽市は「訴状の内容を見て今後の対応を検討したい」としている。
 【編注】あるどう・でびと