2001.03.26  16:33  社会 063    465字
小樽市などは争う姿勢  外国人の入浴拒否訴訟で
(共同通信)

【編注】本記、札幌発
 入浴を拒否されたのは人種差別撤廃条約に反するとして、米国出身で日本国籍の有道
出人(あるどう・でびと)さん(36)ら三人が北海道小樽市の入浴施設の運営会社と
同市に計六百万円の損害賠償などを求めた訴訟の第一回口頭弁論が二十六日、札幌地裁
(坂井満裁判長)で開かれた。
 施設側は「全面的に争う」と主張。小樽市も「同条約で人種差別を禁止、終了させる
義務を負うのは国で、地方公共団体ではない」とし、請求棄却を求めた。
 一方、原告三人が意見陳述。日本人の妻との間に二人の娘がいる有道さんは「温泉に
家族らで出掛け、子どもの前で『外人だから入場禁止』と言われてショックを受けた。
外国人みたいな娘も断られるとの返事だった。日本での国際結婚は年三万組以上。いわ
ゆるハーフの子どもの人権も守られなければならない」と訴えた。
 小樽市の対応についても、「同市は、関係者でこの問題を検討する会議を二回開催し
たが、外国人の出席を断った。ロシア船員に入浴マナーを説明するチラシも四千枚を一
回配布したのみで、啓発は不十分。差別の放置は許せない」と指摘した。
 【編注】さかい・みつる