毎日:国際結婚と子の親権 連れ帰れば「幼児誘拐罪」・「北朝鮮の拉致を非難する日本が拉致をしている」と批判

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グローバル・アイ:国際結婚と子の親権 連れ帰れば「幼児誘拐罪」=西川恵

毎日新聞 2008年10月25日 東京朝刊

http://mainichi.jp/select/world/news/20081025ddm007070149000c.html

 国際結婚が破綻(はたん)した後、日本女性が子どもを一方的に日本に連れ帰るケースが増加し、日本と諸外国の間で外交問題となっている。

 日本女性のA子さんはスウェーデン人の男性との結婚に破れ、子どもを連れて日本に帰国。その後、単身米国に渡った時、空港で身柄拘束された。スウェーデンの警察から国際刑事警察機構(インターポール)を通じて幼児誘拐罪で国際手配されていたのだ。A子さんはスウェーデンに送られ、裁判にかけられた。3年前のことである。

 国際結婚に破れたカップルの一方が、子の親権、面会権などを確定しないまま、子どもをそれまでの居住国から自分の母国に連れ帰ることは「国際的な子の奪取の民事面に関する条約」(ハーグ条約)で不法とされている。米欧諸国を中心に80カ国が締約国となっているが、問題は日本が未締約なことだ。

 日本女性と子どもが日本に戻ってしまい、外国人の夫が親権を求めているケースは、相手国政府がつかんでいるだけでも日米間で約50件、カナダとの間では約30件。このほか英、オーストラリア、イタリアなどとの間でもある。外国人の夫らは子の親権や面会権を求めて日本で裁判を起こしてもほとんど認められず、日本側の固い壁に不満が募っている。

 在日カナダ大使館は今年3月、米加両国政府担当者が参加したハーグ条約についてのシンポジウムを開催。7月、サミットで訪日したハーパー加首相もこの問題を取り上げた。「北朝鮮の拉致を非難する日本が拉致をしている」と批判する外交当局者もいる。先進国の中で日本は守勢に立たされているのが実情だ。

 日本の女性が親権、さらには面会権などを決めないまま帰国する背景には、夫の暴力に耐えられず逃げ帰ったケースや、現地に疎く、言葉が通じず、裁判で親権を争っても認めてもらえないだろうとの判断などがあるようだ。ただ子どもを連れ帰ることがハーグ条約締約国では幼児誘拐にあたることを知らない人が多く、先のA子さんのようなリスクが常にある。

 しかも国際結婚は05年の2万7700件から06年に4万4700件と1・6倍増の一方、離婚は7990件から1万7100件と2・1倍に急増している(厚生労働省)。

 こうした実態を踏まえ、外務省は親権などを決めないまま子どもを連れ帰ることは誘拐罪になり得ると、在外公館を通して注意喚起することを検討し始めた。またハーグ条約加盟も検討しているが、専門家の間でどのような議論があるか次回に書く。(専門編集委員)

毎日新聞 2008年10月25日 東京朝刊

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